【前回までのあらすじ】
K嬢の活躍によって地球は救われた。ピッコロに倒された神様も生き返り、ブルマは全国の学校で廃止された。さっそく神龍に「バッジマシンほすぃ」とお願いしたK嬢だったが、そこに新しい敵が!
「むっちゃ高ーッ(泣」
まぁ、業務用機ですからね。お値段の高さは信頼性の裏返しです。
高いと言っても、「ノートパソコンが二台買える価格」くらいな訳ですが、K嬢的には、ちょっとお小遣いをはたけば買える程度のお値段、だと思っていたようです。
K嬢、悩みました。恋焦がれていたとはいえ、バッジマシンでできるのは「バッジをつくる」ことだけです。
特に販路を持っていない彼女にとって、これは確かに高い買い物です。なにしろ、彼女はこれで商売をしようという気はまったくなく、ただ単に「自分でバッジをつくれたらおもしろいなー」という気持ちしかなかったのですから。
それでも、「自分でバッジをつくってみたい」という情熱を失わなかったK嬢は立派です。そう、彼女は子供の頃、悪の組織にさらわれそうになったところを、流れのバッジマシン野郎に助けられたのです。その記憶がバッジマシンへの憧憬となって残っているのでしょう。きっとたぶんおそらくは。
少しでも安いバッジマシンを――と、いろいろ調べてみたK嬢は、結局、日本国内でバッジマシンをつくっているのはダイキだけということを知りました。それだけ、技術やノウハウの蓄積が必要な機械なのでしょう。
「海外メーカのものなら安いかも」と思った彼女、海外ページを検索しまくってメーカをリストアップ、英語の問いあわせメールを出してみたのですが、結果は玉砕……。
ネットの「売ります・買います」ページに、珍しくバッジマシンが出たこともあったのですが、それもすれ違いで他の方に買われてしまったり……。
どうも不運が続きます。
でも、いま思うと、これはこれで良かったのかもしれません。このとき海外メーカのものを買えたとしても、サプライのバッジパーツは日本で買えるものと違ったでしょうし、「売ります・買います」に出ていたバッジマシンも、ダイキのものかどうかわからなかったのですから。
そうこうしているうちに――ある日、突然、ダイキの方からK嬢のもとへ、「キャンペーンを行いますので、お値段を勉強しますから、一台、買いませんか?」とメールが届いたのです。
縁というものは不思議なものです。K嬢の熱意が天に届いたのかもしれません。あれほど「欲しい」と思っていたメーカーの方が、以前、問い合わせメールを一度出しただけのいち個人客に、直接、声をかけてくださったのですから――。
今度はK嬢、迷いませんでした。勉強していただいた価格も、ちょっと予算オーバーだったのですが、「こんな機会は二度とないかも」と、思いきってお願いしました。
そしてK嬢のもとへ、あの、黄色いボディのバッジマシンが届けられる日がきたのです。
スタッフ一同の前でお披露目された、ピカピカのバッジマシンは、PC
EXPOのエプソンブースで見たそれとまったく同じく、質実剛健な美しさをたたえていました。
K嬢はさっそく、愛猫のバッジをふたつつくってみました。初めてにしては、なかなかの出来です。
店長「さて、この後、これでなにをつくろうと?」
K嬢「んー、特に考えてないんですけど」
店長「てことは、このバッジひとつが、ウン十万円!?」
K嬢「いまのところ、そういうことになりますねぇ」 |
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| このバッジひとつがウン十万円!? |
ってK嬢、それでいいんですか!?
その後、「サークル・プチラ」(現「ビットカフェ」)の間で「2ちゃんねるAAキャラバッジ」を始めとするグッズがつくられ、オークションやイベントで好評をいただくようになったことを、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
イベント会場では、いくつかの会社やお店から「この商品をうちに置いてみませんか?」とお誘いをいただきました。魅力的なお話だったのですが、それならば、せっかくだから自分たちで、サークル活動とは別に、オーダーメイドのグッズを作ったり、お客さまがおつくりになられたグッズを委託販売できるオンラインショップを開いてみようじゃないか、ということになりました。
それが、この「プチラネット」なのです。
振り返ると、K嬢がPC EXPOの会場で、「バッジマシン」を初めて見たあの日から、ほぼ二年が経過していました――。
K嬢の情熱の種が、こういう形で華咲いたことを、感慨深く思わずにはいられません。
人間と動物の差異を表す定義のひとつに、「ホモ・ファベル」というものがあると聞いたことがあります。「ホモ・ファベル」というのは「ものを作る人」のことなのだそうです。
ただひたすら「自分でバッジをつくってみたい」という理由で突っ走ったK嬢の情熱は、まさしく、「ホモ・ファベル」そのものなのかもしれませんね。
当店「プチラネット」が、お客さまみなさまの「ホモ・ファベル」のお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。
(次回は「バッジvsバッチ」です)
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